生成AIサービス導入事例一般財団法人大阪教育文化振興財団 様

セキュアで使いやすい「生成AIサービス」が業務の効率化を強力にサポート

大阪市に拠点を置く「一般財団法人大阪教育文化振興財団」(以下、大阪教育文化振興財団)では、業務効率化に向けて2025年8月からNTTスマートコネクトの「生成AIサービス」を導入しました。同財団が取り組んだ優良な生成AIのユースケースについて、総務課の岡山友呼氏、谷村将太郎氏に話を伺いました。

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一般財団法人大阪教育文化振興財団 総務課 岡山友呼氏
一般財団法人大阪教育文化振興財団 総務課 谷村将太郎氏

大阪市のガイドラインがきっかけ、将来を見据えた活用ビジョンが後押し

大阪教育文化振興財団は1976年に「財団法人大阪市学校教育振興公社」として設立され、2013年に一般財団法人へ移行。児童・青少年の健全育成、生涯学習など市民学習の振興および教育施設などの環境整備に関する事業を中心に、施設運営・プロモーション・公共性の高いプログラムの企画・開発を手がけるプロフェッショナル集団です。

主な運営施設には「キッズプラザ大阪」「大阪市立生涯学習センター」のほか、市内6区に置かれた「子ども・子育てプラザ」などがあり、年間120万人以上を迎える実績と経験が高く評価されています。

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一般財団法人大阪教育文化振興財団 総務課 岡山友呼氏

大阪市では2024年度から全職員による生成AI活用がスタート。さらに2025年3月には「業務受託事業者等向け生成AI利用ガイドライン」が策定され、市の受託事業者である大阪教育文化振興財団もセキュアな生成AIサービスの導入検討を開始しました。

岡山氏は、生成AIガイドラインに沿ったシステムがあるかどうかを軸に検討し、「他社と見比べながら、本当に現場で安心して使えるか、要件に合っているかを確認しました」と振り返ります。

圧倒的な低コストと“わかりやすさ”が導入の決め手に

最終的に選んだのは、NTTスマートコネクトの生成AIサービスです。採用の決め手について、管理者である谷村氏は次のように語ります。

「NTTスマートコネクトの生成AIサービスは機能を十分に備えつつ、価格についても低価格だったことに加え、操作内容もシンプルで初めての導入に適していた点が大きかったです。それに疑問点を担当者にメールすればすぐ返答が来る。そうしたレスポンスの良さも含めて、安心して使い始められると感じました。

職員は20代から70代までと幅が広く、インターネットやパソコンに対して一歩引いてしまう人も少なくありません。だからこそ、入力欄に打ち込めば答えが返ってくるわかりやすさが重要でした。まずは触ってもらう、使ってもらうところから入りたかったので、複雑さがないユニバーサルな点がかなり良かったと思っています」(谷村氏)

NTTスマートコネクトの生成AIサービスの特徴は「安心・安全な環境で、誰でもわかりやすく」生成AIを利用できる点にあります。

安心・安全については、「Azure OpenAI Service」内にお客さまの専用テナントを作成し、その内部で回答を生成する仕組みを採用。質問内容のAIモデルへの2次利用やAIモデル提供元会社によるデータ保持を回避し、チャットでのやり取りがLLM(大規模言語モデル)に学習されることなくテキスト生成AIを利用できます。

活用がわからない、利用シーンが思い浮かばないユーザーに対しては、「テンプレート機能」が有効です。テンプレートは管理者や個人が作成して社内に共有できます。また、「ナレッジ検索機能(RAG※)」を利用すれば、社内独自ナレッジ(社内規定、マニュアルなど)に基づいて即座に回答を得ることができます。

※RAG(Retrieval Augmented Generation、検索拡張生成のこと)

「基本は管理者が作成したテンプレートから選んで、その中で対話してもらっています。もちろん自分の言葉で指示を出すこともできますが、まずは既存の形を使って慣れてもらっている段階です。私は3年総務課に在籍しているため、これまでいろんな事業所の方と関わってきました。その経験から、『こういう形なら使ってもらえるな』とか『こういう表現のほうがみんなにわかりやすいんじゃないか』と工夫しています」(岡山氏)

「RAGを活用したテンプレートに使用する社内のマニュアルは、そのまま使うのではなく、噛み砕いて作り直したうえでテンプレート化しています。私は前職が高校教師で、授業で使用する教材をどうすれば分かりやすく伝えられるか工夫してきました。そのノウハウを活かし、皆さんが理解いただけるように取り組んでいます」(谷村氏)

目に見える業務効率化、職員の意識も徐々に変化

2025年8月に導入して以降、前述の問い合わせ対応をはじめ、議事録の要約、文書の校正など、活用は日常業務全般にわたります。

「総務課によく来る質問については、聞いてもらえればそのまま回答してくれるテンプレートを作っています。用意しているテンプレートは8個ほどですが、頻繁に聞かれる内容をまとめておくことで対応の手間も減りますし、回答のばらつきも抑えられています。各種システムのマニュアルを生成AIサービスに読み込ませ問い合わせ対応にも使っています」(岡山氏)

「もともと議事録作成は大きな負担でした。各事業所で月に1〜2回、総務課でも月1回は必ず発生します。そのときどきで内容や量にばらつきがあり、まとめる量が一気に膨大になることもあります。しかし一度文字起こししてテキスト化し、整理や要約のために非常に効率的になります。ゼロから文章を組み立てる作業が減るだけでも、負担はかなり軽くなりました。

文書作成も助けられています。ちょっとした書類の送付文でも校正するテンプレートがあり、表現が適しているか確認ができるため、内容の質を保ちながら作成時間を短縮できるので非常に助かっています。これまでは表現を考え直したりしていましたが、今は『類義語を10個出して』と言えばすぐ並びますし、その場面に合った言葉も提案してくれます。その特性を活かして、利用されたお客様からお褒めの言葉をいただいたときに、より丁寧に感謝の気持ちをお伝えできるよう、表現を考える際の参考としても活用できます。また来ていただける、また楽しんでもらえる、そういう関係づくりにも役立っていると思います」(谷村氏)

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一般財団法人大阪教育文化振興財団 総務課 谷村将太郎氏

定量的な効果測定はしていないものの、日々の細々とした業務に追われる総務課にとっては「体感として効率化が進み、他の業務に尽力できる時間を作ることができました」と岡山氏は話します。

「例えば勤怠マニュアルは、打刻忘れの修正方法など細かな操作が網羅されていて70〜80ページにもなります。その中から必要な箇所を探すのは職員にとって負担が大きく、結局『電話で聞いたほうが早い』となってしまうことが多かったんです。マニュアルが掲載されている社内サイトのページを案内しても実際には読まれず、探すだけで早くても5分はかかっていましたが、それらの手間は払拭されつつあります」(岡山氏)

職員の意識も少しずつ変わってきたそうです。管理側ではクレジット使用量を閲覧できますが、「幅広い年代の方に使っていただいているようです。この人も使ってくれているんだというのが見えて嬉しかったです。何かしら役に立っているテンプレートがあるとの手応えがありました」と岡山氏は述べます。

  • ●総務課の問い合わせ対応や財団内の定型業務を俯瞰し、運用効率化のために用途に応じたテンプレートを複数整備
  • ●利用者が業務に応じて最適なテンプレートを選べる仕組みとすることで、問い合わせ対応の負荷と所要時間を大幅に削減する環境を実現

テンプレートやワークフローが浸透すれば、一段上のフェーズに到達できる

現在は、200アカウントを登録して利用しています。ただし定期的に活用しているのは40人弱にとどまっており、全体の利用者数を伸ばしていくことが目下の課題です。

「個人でもテンプレートを作成できますが、まだ作った人はいません。それも含め、実際に使ってくれる人、さらには『自分もテンプレートを作ってみようかな』と思ってくれる人が増えてほしい。そのためにも利用状況をもっと可視化したいという要望があります。誰がどれだけ使っているのかを、月別でグラフ表示できたらいいですね。そうすれば事業所単位で積極的な人に声がけもしやすですいし、求められていることが分かり、『この事業所なら広がりそう』と判断しやすくなりますから」(谷村氏)

テンプレートの発展形として、業務の流れに合わせて複数のプロンプトを順番に実行する「ワークフロー機能」も備えています。プログラミングの知識がなくてもノーコードで作成できるのがポイントで、ワークフローを組み合わせることでさらなる業務効率化が望めます。

「当財団は社内稟議が多い傾向にあり、物事を進める際にはどうしても複数人の確認が必要です。既存の形式は決まっているので、皆さんが使いやすい形に整えてワークフローに落とし込めれば、一気に広がるのではないかと期待しています」(岡山氏)

もはや生成AIは日常業務に不可欠なパートナーとなりました。ただし企業の導入には、セキュアな基準と使いやすさを両立したツールが求められます。その観点からも、大阪教育文化振興財団の事例はベストプラクティスの1つと言えるのではないでしょうか。これからもNTTスマートコネクトは生成AIサービスを通じて、あらゆる業界の成長をサポートしていきます。

※当記事に記載されている内容は、2026年2月現在のものです。