地方自治体様が求める盤石なクラウド基盤に耐えうるNTTグループの信頼性
株式会社サンネット様は2022年に創業60周年を迎えた中国地方きってのIT企業の老舗です。 今回紹介する公共事業部では、最先端のICT技術を駆使して住民サービスの向上や業務効率化に寄与するだけでなく、クラウドサービス提供・自治体システム標準化対応・行政のDXを見据えて柔軟な自治体業務サポートを実現されています。
株式会社サンネット 公共事業部 公共営業部 営業一課
熊谷課員
公共事業部とNTTスマートコネクトとの接点は、2013年にさかのぼります。当時、総務省による自治体クラウド推進の動きが加速し、地方自治体様でもクラウドリフトの気運が高まりました。そこで、以前からネットワーク提案で連携していたNTT西日本からNTTスマートコネクトを紹介され、現在に至るまで多種多様な案件でパートナーシップを築いています。公共事業部営業担当の熊谷氏は、NTTスマートコネクトを選んだ理由を次のように語ります。
「我々が担当するのは地方自治体様ですから、まずはセキュリティを重視しました。また、2011年に発生した東日本大震災の教訓もあり、堅牢なデータセンター基盤が求められていました。このほか、費用面も加味して数多くの事業者を検討しましたが、最も親身に考えていただいたのがNTTスマートコネクト社でした。結果的に、懸念点をすべてクリアできたことも大きかったのですが、それ以上に“一緒に課題を解決する”協力体制を敷いていただいたことが決め手になりました。」
2013年頃は自治体クラウド化の先駆けのタイミングであり、オンプレミスからクラウドへの移行は一般企業でさえ慎重になっていた時期です。NTTスマートコネクトはISMS認証(ISO27001、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格)やプライバシーマークを取得済みで、お客さまの重要データを安心して預けられるクラウド事業者であること、NTT西日本の100%子会社で信頼の実績があることも採用のポイントになりました。
採用実績を踏まえ、新たにSCP Type-VとCXCを展開
2013年当時は「スマートコネクトVPS」を活用した自治体クラウド案件をサンネット様と連携して導入しましたが、今日までの安定した運用実績から、様々な地方自治体様において、サンネット様による住民情報システム(税金系、生活保護系)を新たにクラウド化していただきました。
新たに導入したクラウドサービスはSCP Type-Vで、閉域網サービスのCXC によってNTTスマートコネクトのデータセンターと接続しています。SCP Type-Vの特徴はリソース共用型(仮想マシン単位)のクラウドを低コストで管理できる点で、今回のように段階的なシステムのクラウド移行に最適との評価を得ています。具体的には、VMware基盤やハードウェア部分の運用をNTTスマートコネクトが提供し、お客さまはミドルウェア以上の構築・運用に専念することができます。
「新規採用については、やはり安定運用の実績が大きかったですね。当社が信頼しているデータセンターなら問題はないと判断していただきました。」と熊谷氏。本クラウドを導入した地方自治体様に、2022年春までSEとして常駐していた公共事業部 パッケージシステム部の山本氏は、現場ならではの目線で導入経緯をこのように話します。
株式会社サンネット 公共事業部 パッケージシステム部
パッケージ開発課 山本リーダー
「それ以前はすべてオンプレミスですから、地方自治体様にとってクラウド化の敷居が高かったのも事実です。折に触れてデータセンターからの情報漏えいがニュースになることもあり、不安を抱えていたのだと思います。ましてや住民情報システムは機密情報を扱いますので、“単にクラウド化すればいいのか”との意見もありました。しかし、CXCや閉域網接続によりセキュアなプライベートネットワーク構成とすることで、柔軟な環境構築も可能です。その点が推薦材料になりました。」
今回の構成は、地方自治体様の端末から閉域網を通じてNTTスマートコネクトのデータセンターに接続し、専用ラックを設置して運用しています。専用ラックへの機器設置もNTTスマートコネクトの代行サービスを活用し、クラウドの設定作業がすべてサンネット様の事業所拠点から完結できる仕組みです。
CXCにはセキュアなプライベートネットワークに加え、低遅延、低コストといった特徴があります。熊谷氏は「専用ネットワークを構築すると非常に高額になりますが、CXCは費用対効果が高く満足しています。その上でしっかりしたセキュリティが担保され、十分な帯域が確保されている点もありがたいですね。」と語ります。
- ■サービス提供イメージ
続けて山本氏も「定型の要件シートに必要な部分を書き込んで提出すれば設定していただけたので、導入・構築に関してはとてもスムーズに進めることができました。実際の運用でも通信に遅延がなく、オンプレミス以上にストレスを感じることなく利用できました。高いスペックの機器を用意していただいたこともあり、業務に支障が出たことはありません。」と話してくれました。
住民情報システムから一歩先を見据えた活用へ
第一段階として住民情報システムから始まりましたが、稼働実績を見ながら「次はコンビニ交付システムのクラウド化もめざしています。」と熊谷氏。地方自治体様の窓口以上に住民との密なタッチポイントになるコンビニ交付システムをクラウドリフトすることで、より利便性が向上すると見ています。
また、ある地方自治体様では初めての試みとしてデータセンターでのバックアップも採り入れました。「おもにBCP(事業継続計画)の観点からの導入になります。これまでは自庁のみのバックアップでしたが、データセンターに複製があれば非常に心強いからです。」と山本氏は話します。ここでは遠隔バックアップシステムを構築し、先に触れたNTTスマートコネクト データセンターの専用ラックに同期しています。
一方、ほかの地方自治体様ではすでに内部情報システムをデータセンターにバックアップを展開するなど、基幹業務システム以外での活用も進んでいます。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、地方自治体様でもDXの意識が高まり、今年度からは“デジタル”を意識した組織変更が増えてきたそうです。
山本氏は「お客さまの意識もだいぶ変わってきました。求められるレベルもどんどん要求が高くなってきています。予算が限られている中で、高セキュリティ、高品質はもちろんのこと、バックアップのような付加価値の高いサービス提案をする必要があると考えています。」と意欲を語りました。
ガバメントクラウドを意識して魅力ある提案を続けていく
3年後の2025年度をめどに、政府はガバメントクラウド構想を進めています。全国の地方自治体様が使用している基幹業務システムを統一し、クラウド上の標準準拠システムに移行する一大プロジェクトです。この大きな動きに向け、さらなるサンネット様の活躍が期待されます。熊谷氏は今後の展望についてこう語ります。
ガバメントクラウド移行に向け、
魅力ある提案をしていきたいと話す2人
「地方自治体様のクラウドはISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)準拠が望ましいとされています。昨今は半導体不足の影響もあり、新しいサーバーの導入に多くの時間を要しますが、SCP Type-Vは申し込みをしてから最短3営業日で利用開始できるメリットがあります。まさに、時代の流れに沿ったスピード感を実感しています。
現在、最も地方自治体様からのニーズが多いのはクラウドシステムの共同化です。これからはデータセンターありきの提案になるのは間違いありません。当社がNTTスマートコネクトのパートナープログラムで第1号のプラチナパートナーに認定されたこともあり、今後はより一層連携を図りながらガバメントクラウドを支援していきたいと思います。」
NTTスマートコネクトが提供するパートナープログラムでは提案から運用まで、一連の流れで手厚いサポートを受けることができます。最高ランクのプラチナパートナーになると、卸率、サポート面などで有利な点が増えるなどのメリットがあります。
山本氏は「地方自治体様でクラウドが一般化すれば、我々は全体を統括する“プラットフォーマー”として活動していかねばなりません。その目標を達成するためにも、NTTスマートコネクトとノウハウを共有し、協力し合いながらサービス提案をしていきたいですね。」と語ります。SCP Type-VとCXCの組み合わせが、自治体クラウド化のベストプラクティスになる日もそう遠くはないかもしれません。そのように感じさせる意欲的な事例となりました。
※当記事に記載されている内容は、2022年8月現在のものです。