セキュリティ対策の運用工数を抑えたい
コスト削減は、多くの企業にとって継続して取り組むべき課題となっています。販促費、交通費、出張費など、手のつけやすいところから着手し、コストセンターと見なされている情報システム部門も対象になります。しかしながら、セキュリティ対策の工数・コストも削っていいものでしょうか。ここではUTMの導入による、セキュリティ対策の運用工数・コスト削減のケーススタディをご紹介します。
目次
コスト削減は企業の重要課題
多くの企業でコスト削減が課題となっていても、削減しづらいものがあります。たとえば、設備投資や新規事業・商品開発など将来の成長へ向けた投資です。 同じように、セキュリティ分野における不適切なコスト削減も、おすすめできません。多くの企業はお客さまの個人情報や機密情報を蓄積しており、その厳重な保管が義務づけられています。セキュリティ機器への投資や運用工数を減らして、コスト削減していくことは重要な課題ですが、セキュリティレベルを低下させることは許されません。
企業によっては、セキュリティは重要な投資と捉え、セキュリティ対策や費用を増加させている事例も多々あります。
ケース1:UTMを導入したが、機器の運用に意外と手間がかかる……
セキュリティは効率化や二重投資を避けることで、コスト削減が可能となります。とりわけ、中堅中小企業向けのコスト削減として注目されているのがUTMです。UTMにはネットワーク側の複数のセキュリティ機能が統合されており、個々にセキュリティ対策を実施するよりもコストを抑えやすくなります。
しかし、UTMにも盲点があります。コストには目に見えやすいものと見えにくいものがあります。UTMはファイアウォール、IDS/IPS、アプリケーションコントロールなどの装置を個々に購入するよりも一般的には低価格になります。これは目に見えやすいコストの削減です。
一方で、UTMというハードウェアを購入することで、その運用は引き続き継続して必要です。これが目に見えにくいコストです。ハードウェアの維持管理が求められますし、移転や更改の際も手間や経費がかかってしまっている、というケースも多いようです。
参考:UTMの運用方法とは? アプライアンス型とクラウド型のUTMの運用を比較
[解決]クラウド型UTMへの移行で運用工数・コストを削減
こうしたケースでは、アプライアンス型のUTMをクラウド型に移行する手段が解決策として考えられます。クラウドサービスとしてUTMを利用することで、ハードウェアの維持管理が不要となります。高い可用性を備えており、故障に備えてハードウェアを冗長化する必要もありません。
もちろん、設置スペースも不要ですし、引っ越しやレイアウト変更の際の手間もかかりません。
クラウド型UTMは複数の拠点を構えている企業では、さらに低コスト化を期待できます。もし、複数の拠点にアプライアンス型UTMを設置すれば、機器の導入費用や拠点ごとの運用の手間が発生するのですが、クラウド型であればこの部分を大幅に削減することができます。
ケース2:「クラウドは割高」との指摘があったが……
クラウド型UTMはハードウェアを購入する必要がないため、アプライアンス型UTMと比較して初期費用が少なくなります。「でも、月々の使用料がかかるので、結局は割高になるのでは?」といわれるケースもあります。
確かに、月々の使用料が必要となり、それを累計していくとアプライアンス型UTMの購入価格を上回るタイミングもあるでしょう。
[解決]クラウド型UTMはコストの見通しを立てやすい
アプライアンス型UTMには「目に見えにくいコスト」がかかっています。購入後の運用コストであり、ソフトウェアのバージョンアップの稼働、買い替えのコストなどです。 これらを比較するとケースバイケースとなり、一概にどちらが低コストかは断言することはできません。
ただ、クラウド型UTMは想定外となるコストが発生しづらいサービスです。アプライアンス型UTMには故障など、突発的なコストが発生するリスクがあります。
クラウド型UTMであれば、機器の買い替えの必要もありませんし、機能の追加も解約もスピーディーにできます。「クラウド型UTMはコストの見通しを立てやすい」といえるでしょう。
ポイントまとめ
運用工数を抑え月々の支出も平準化できるクラウド型UTM
セキュリティ対策は費用の大小のみでの判断は難しいところです。コストを優先させるとセキュリティレベルが下がり、かといって無制限にコストをかけるわけにもいきません。
セキュリティレベルを確保しつつ、コストを低減する1つの解決策としてクラウド型UTMを検討されてもよいかもしれません。クラウド型UTMによって運用工数・コストの削減につながりやすくなります。