学校などの教育機関におすすめのセキュリティ対策
ここからは業界・業態に特化したセキュリティの課題と解決策を紹介します。まずは教育機関です。学校や学習塾でもセキュリティ対策は必須で、Webフィルタリング、アンチウィルス・アンチスパムなどは必要となります。複数の学校や学習塾でセキュリティ対策の運用をまとめることも多いのですが、情報システム・セキュリティ対策の専任担当者がいないケースがあり、システム運用の負荷軽減が求められています。そのため、運用負荷を増大することなくセキュリティを強化できるクラウド型UTMも活用されているようです。ここでは教育機関におけるクラウド型UTM活用のケーススタディを紹介します。
目次
教育機関でWebフィルタリングは必須の機能
教育機関の情報化推進は文科省が早くから推進しており、パソコンやインターネットが授業で活用されるようになっています。
情報教育はパソコンとネットワークを用意すればいいというものではありません。インターネット上のサイトを自由に訪問し、多くの情報に触れることは生徒たちにとって大変貴重な体験となりますが、教育上不適切なサイトも多くあります。
学校では情報化推進の必需品として、そのような不適切なサイト訪問をシャットアウトするためのWebフィルタリングが用意されています。一方で、そのバージョンアップなどの運用が負担となってしまいます。
生徒の個人情報が保管されるため厳しいセキュリティが必須
教育機関に必要とされるのは、Webフィルタリングだけではありません。学校や学習塾には生徒の個人情報が保管されており、それらが漏えいすると大事件になります。実際、学校から生徒の成績表の情報が漏れて、大きなニュースになったこともあります。人的な対策でセキュリティを確保するのではなく、情報漏えいの危険性を限りなく減らす仕組みが不可欠です。
職員の端末でのアンチウィルス対策しか行っていないケースも少なくないようですが、教職員個人に依存したセキュリティ管理では、セキュリティソフトのアップデートが実施されていないなど、セキュリティポリシーが統一・最新化できていない不安が残ります。
パソコン側はもちろん、ネットワーク側にもアンウィルス機能を設ければ、よりセキュリティの強化が期待できます。
アプライアンス型UTMでは運用が負担になりがち
学校・学習塾のシステムを扱うITベンダー等より、アプライアンス型UTMの導入を提案されることもあるようです。UTMには複数のセキュリティ機能が搭載されており、アンチウィルスやWebフィルタリングはもちろん、サーバーへの不正アクセスの監視もできます。
しかし、ここで課題となるのがUTMというハードウェアです。確かに、UTMの導入は多機能でセキュリティ強化が可能となりますが、セキュリティ機能が統合されているからこそ、万が一故障した場合の危険性があり、5年程度で買い替えが必要となります。学校などの教育機関では、情報システム・セキュリティ対策の専任担当者がいないケースが多く、機器の運用が大きな負担となってしまいます。
また、学校・学習塾ごとに機器を導入する必要があるため導入コストが膨らみがちで、運用の負担も少なくありません。統廃合などで学校数の増減があった際の対応などを考えても、非効率となりがちです。
クラウド型UTMでセキュリティ強化と運用負荷を軽減
Webフィルタリングやアンチウィルスなどによるセキュリティ強化と、導入・運用の負荷の軽減に役立つのが、クラウド型UTMです。多層防御ができるUTMの機能をクラウドで提供するサービスです。そのため、ハードウェアの管理・運用をサービス提供事業者に任せることができるため、負担から解放されます。ソフトウェアのバージョンアップも必要なく、最新の機能を利用できます。
生徒が増加すると、UTMへの負荷が増加し、レスポンスが悪化するケースもありますが、クラウド型UTMであれば「ネットワーク帯域」「セッション数」などを拡張すれば、スムーズに解決できます。
また、複数の学校・学習塾のセキュリティ対策をまとめるようなケースでも、導入・運用の工数・コストは軽減できるでしょう。
ポイントまとめ
教育機関にはクラウド型UTMがおすすめ
クラウド型UTMは運用負荷を軽減しながら教育機関に必要なファイアウォール、アンチウィルス、Webフィルタリングなどのセキュリティ機能を統合して提供できます。また、複数の学校・学習塾でも導入・運用しやすく、クラウド型UTMは教育機関に適したセキュリティ対策です。