UTM導入のメリット、デメリットとは? | セキュリティ対策関連コラム

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UTM導入のメリット、デメリットとは

セキュリティ脅威が深刻化している中、多層防御できる機能性、コストの集約、運用の一元化などが評価され、UTMが注目されています。一方で、UTMは拠点ごとに機器を設置する場合は、運用負担が大きくなるなどのデメリットもあります。今回はこうしたUTMのメリットとデメリット、さらにそのデメリットを解決するクラウド型UTMについて紹介いたします。

目次

メリット1:「多層防御」複数のセキュリティ機能を装備

UTM最大のメリットは、「多層防御」にあります。複数のセキュリティ脅威に対応できるのです。まさに「Unified Threat Management=統合脅威管理」です。
サイバー攻撃は次から次へと出現し、1つの手段、あるいは1つの機器では防ぎきれるものではありません。ファイアウォールで不正アクセスを防止しても、正しく見せかけて忍び込もうとする攻撃が現れ、「IDS /IPS」が必要となりました。これらの不正アクセスへの対策が「多層防御」であり、UTMが誕生したきっかけです。
ウィルスが侵入するセキュリティ攻撃が増加しています。その対策が必要になり「アンチウィルス」機能が、さらにウィルスだけではなく、フィッシング攻撃やマルウェアへの対策も求められ、「Webフィルタリング」機能が搭載されました。 日々進化を続ける複数のセキュリティ脅威に効率的に対処できるのがUTMなのです。

メリット2:初期投資の負担を軽減し導入しやすい

セキュリティ脅威は企業にとって深刻な問題となり、「多層防御」に見られるように、幾重にもわたる防御が必要になります。ファイアウォールIDS /IPSアンチウィルスWebフィルタリング、さらにはアンチスパムアプリケーションコントロール……。
これらを単体の機器やアプリケーションで防ぐとなると、コストが嵩み、その管理も煩雑になってしまいます。そこで登場したのがUTMです。UTMは1台に複数のセキュリティ機能を搭載しており、個々に対策を講ずるよりもコストを削減できます。
セキュリティに対するコストを確保しづらい中小企業にとって、低コストで多層防御できるUTMは魅力的で多くの企業で導入が進んできました。

メリット3:担当者の運用負荷を軽減しやすい

UTMには複数のセキュリティ機能が集約され、操作性も共通になっており、運用性に優れています。設置も移動も買い替えも比較的容易です。アプリケーションのバージョンアップもまとめて行うことができ、セキュリティ担当者の負荷を軽減しやすくなります。
中小企業にとってセキュリティのスペシャリストを複数人確保することが難しく、いわゆる「ひとり情シス」の状態も見られます。 UTMなら、負荷の少ない運用で、少人数でもセキュリティ対応がしやすくなります。大手企業でもセキュリティの専任スタッフがいないケースも多く、ここでもUTMの運用しやすさから、導入されるケースが増えています。

参考:「ひとり情シス」は、セキュリティ対策の体制見直しのチャンス! おすすめはUTM

メリット4:デメリットを解消するクラウド型UTM。複数拠点に強い

セキュリティ機能の集約、低コスト、運用の負荷軽減。この3つをUTMのメリットとして紹介しました。しかし、デメリットもあります。
複数の機能を1台に集約していることで、その1台に障害が発生すると、すべてのセキュリティ対策が機能しなくなります。
かといって、冗長化するのはコスト負担が大きくなります。故障すれば突発的なコストも必要となります。
そして、運用。1台に複数のセキュリティ機能を有しているとはいえ、ハードウェアの運用は必要になります。これが複数拠点になると、大きな負荷となり、社内のリソースでの対応が困難となるケースもあるようです。

これらデメリットを解消する1つの手法が「クラウド型UTM」です。データセンターに設置されているクラウドからUTM機能を提供することで、災害に強く、障害を最小限に抑えやすくなります。
また、システム構築や運用の工数を抑えることができ、特に複数拠点の場合は、拠点に散在する機器をクラウド側に集約することで、コストも削減できるでしょう。クラウド型は既存のUTMのデメリットを解消する新しい時代のUTMとして注目されています。

ポイントまとめ

UTMのメリットを最大限に発揮する「クラウド型UTM」

UTMのメリットとデメリット、そしてそのデメリットを解消できるクラウド型UTMをご理解いただけましたでしょうか。ただし、クラウド型UTMにも設定や操作などの運用は必要です。
これらをアウトソーシングできるマネージドサービスを提供しているクラウド型のUTMをもありますので、ぜひサービス提供事業者に相談してみましょう。

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